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2025.07.26
平衡感覚を鍛えるトレーニング5選!バランスを鍛えてふらつき防止
「60歳を過ぎてから、ふらつくことが多くなった。」
「子供がバランスが取れずにすぐに転んでしまう。」
そのようなお悩みを持つ方は、平衡感覚を鍛えるのがおすすめです。
この記事では、最近ふらつきが気になる高齢の方や、お子さまの転倒が気になる保護者の方に向けて、平衡感覚を鍛えるトレーニング5選をご紹介します。
また、平衡感覚とは?というところから平衡感覚を鍛えるのに必要な筋肉・鍛えるメリットもご紹介していくので、あわせてお読みください!
平衡感覚とは?バランスを取る仕組み
平衡感覚とは、体の向きや動きを感知して、バランスを保つ感覚です。
「バランスを取る」仕組みは複雑で、脳が「三半規管・足裏(メカノレセプター)・目」の3つの器官からくる情報をまとめて、必要な筋肉を動かすことでバランスを取っています。
ここでは、バランスを取るための重要な情報を脳に送る「三半規管・足裏の感覚(メカノレセプター)・目(視覚)」の3つの器官について解説していきます。
三半規管と平衡感覚の関係
三半規管は耳の奥にある器官で、頭が回転する時の方向やスピードを感知する役目を持っています。
耳の奥には「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれるカタツムリに似た器官があり、その蝸牛の器官の先についている、3本の半円状の管が三半規管です。
三半規管の3本の管にはそれぞれ外側半規管、前半規管、後半規管という名称がついており、外側半規管は横の回転を感知し、前半規管・後半規管は縦の回転を感知します。
足裏の感覚(メカノレセプター)と平衡感覚の関係
人の体には温度や圧力など様々な感覚・刺激を感じるセンサーが搭載されていますが、足裏にはメカノレセプターと呼ばれるバランスをとるためのセンサーが多くあります。
メカノレセプターが足裏が接している面の凹凸や傾き、摩擦具合や安定度などを感知し、それらの様々な情報を脳に伝達することで、バランスを保つことができます。
目(視覚)と平衡感覚の関係
目を開けたまま歩くことは簡単ですが、目をつぶったとたんバランスを取るのが難しくなり、平坦な道でも歩くのが困難になります。
目(視覚)は、平衡感覚を保つのに重要な器官です。
視覚からの情報により、物の形や距離感を立体的に把握し、バランスを取ることができます。
平衡感覚を鍛えるのに必要な筋肉
平衡感覚を保つことは「三半規管・メカノレセプター・目」の3つの器官からくる情報をもとに必要な筋肉を動かすことなので、特定の筋肉を鍛えることで、平衡感覚を鍛えることができます。
平衡感覚を鍛えるのに必要な筋肉は主に「体幹」と「下半身の筋肉」です。
必要な筋肉①体幹
体幹とは、頭・腕・脚を除いた胴体全体の筋肉を指します。
「インナーマッスル」とも呼ばれることも多いですが同義ではなく、体の深層部にあるインナーマッスルと、表層部にあるアウターマッスルの両方を含みます。
平衡感覚を鍛えるのであれば、特に「腹直筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋」を鍛えるのがおすすめです。
- 腹直筋:お腹の前面にある筋肉
- 内腹斜筋:お腹の側面にある筋肉(外腹斜筋の内側)
- 外腹斜筋:お腹の側面にある筋肉(内腹斜筋の内側)
- 腹横筋:お腹の内側(深層)にある筋肉
必要な筋肉②下半身の筋肉
下半身の筋肉も平衡感覚を鍛えるのに重要です。
下半身は全ての動作を支える土台とも言われており、下半身を鍛えることで体のバランスが安定します。
激しくぶつかり合うことが多くバランス力が特に求められるサッカーやアメフトなどのスポーツでも、下半身強化のトレーニングが重要視されています。
平衡感覚を鍛えるのに特に重要な下半身の筋肉は以下の通りです。
- 中殿筋:お尻の外にある筋肉
- 大腿四頭筋:太ももの筋肉
- 内転筋:内ももの筋肉
- 腓腹筋:ふくらはぎの筋肉
- 前脛骨筋:すねの筋肉
平衡感覚を鍛えるメリット
平衡感覚を鍛えるのは、スポーツはもちろん、普段の生活でも役に立つメリットがあります。
平衡感覚を鍛えるメリットは主に「転倒の予防・運動パフォーマンスの向上・疲労感を軽くする」の3つです。
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
転倒の予防
平衡感覚を鍛えることで、バランスが安定するため、転倒予防になります。
凹凸が多い道や砂利道など整備されていない道を歩く時でもバランスを崩さずに歩くことができたり、段差で躓きそうになった時はすぐに反応し、バランスをとることが可能です。
運動パフォーマンスの向上
運動パフォーマンスを向上させるには、平衡感覚を鍛えることが重要です。
平衡感覚を鍛えてバランスが安定することで無駄な動きがなくなり、スムーズに体を動かせるようになります。
疲労感を軽くする
バランスが取れないと、必要以上に体の力を使うことになり、日常生活でも疲れやすくなります。
平衡感覚を鍛えてバランスを安定させることで、体の動かし方もスムーズになり、疲労感が軽減されます。
平衡感覚を鍛えるバランストレーニング3選
平衡感覚を鍛えるバランストレーニング3選をご紹介します。
個人によって筋力に差があるため、最初は無理をせず回数や時間を少なくして、徐々に増やしていくのがおすすめです。
基本的には筋肉を鍛えるトレーニングとなっていますが、片足立ちなどは、三半規管も鍛えるのにも有効なので、ぜひ挑戦してみてください。
①片足立ち
片足立ちはバランストレーニングの中でも手軽にできるトレーニングで、スキマ時間を活用して自宅でも簡単に行うことが可能です。
体幹や下半身を鍛えるだけでなく、三半規管も鍛えることができます。
また負荷も少ないため、自分の平衡感覚の状態を確かめたい方にもおすすめです。
片足立ちの手順を下にまとめました。
- 目線を前にして直立する
- 腿が地面と平行になるように片足を上げる
- 10~30秒ほどキープする
- 反対の足で繰り返す
②ヒップリフト
ヒップリフトはバランスを向上させるだけでなく、お尻を引き締める効果もあるので、体型改善をしたい方にもおすすめです。
負荷も少なく、ケガのリスクが低いため、初心者でも安心して取り組めます。
ヒップリフトの手順は以下の通りです。
- 仰向けになる
- 両膝を肩幅と同じくらい広げ、90°曲げる
- お尻を持ち上げて肩から膝まで一直線にする
- 10~30秒ほどキープする
③プランク
プランクで体幹を鍛えるのも、平衡感覚を鍛えるのにおすすめのトレーニングです。
体のラインが崩れないように気をつけるのが重要で、踵から頭までのラインが常に一直線の状態を保ちましょう。
プランクの手順を下にまとめたので、参考にしてみてください。
- うつ伏せになる
- 肩の真下に肘がくるように、肘と腕とつま先の3点で体を持ち上げる
- 両手の間に視線を落とし、踵から頭までのラインを一直線にする
- 30~60秒ほどキープする
平衡感覚を鍛えるバランストレーニング選2選【器具】
ここまで自宅で簡単にできるバランストレーニングをご紹介してきましたが、ここからは器具を使ったバランストレーニング2選をご紹介していきます。
器具を使うことによってより負荷がかかるので、ある程度トレーニングをこなしてきた中〜上級者の方におすすめです。
いきなり器具を使ったバランストレーニングをするとケガをする恐れもあるので、自信がない方や初心者の方は、片足立ちや通常のプランクなどから始めるようにしましょう。
①バランスディスクで片足立ち
バランスディスクは、元々はバランスを向上させるために開発された医療用器具ですが、近年はスポーツ選手から一般の方まで幅広い方が使用しています。
やり方は先述の片足立ちと変わりませんが、足場が不安定になっているので、より難易度が高いです。
難しい方は両足で立つことから始めて、慣れてきたら片足立ちに挑戦してみましょう。
- バランスディスクの上にのる
- 目線を前にして直立する
- 腿が地面と平行になるように片足を上げる
- 10~30秒間キープする
- 反対の足で繰り返す
②バランスボールプッシュアップ
バランスボールプッシュアップはバランスボールを使った腕立て伏せです。
不安定なボールの上で腕立て伏せをするため、ある程度の体幹がある方におすすめのバランストレーニングになります。
バランスボールプッシュアップの手順は以下の通りです。
- 通常の腕たせ伏せの姿勢になる
- 両足をバランスボールにのせる
- 息を吸いながら体をゆっくりとおろす
- 息を吐きながら元の位置まで戻る
平衡感覚を鍛えるバランストレーニング5選|まとめ
平衡感覚の仕組みは、「三半規管・足裏(メカノレセプター)・目」の3つの器官が脳に情報を送り、脳がその情報をもとに必要な筋肉を動かすことでバランスを保つことです。
平衡感覚を鍛えると体をスムーズに動かせるようになり、スポーツはもちろん、転倒防止など普段の生活でも役に立つメリットがあります。
平衡感覚は体幹や下半身を鍛えることで向上するので、平衡感覚を鍛えたいのなら体幹や下半身に有効なトレーニングがおすすめです。
最近ふらつくことが多くなったご高齢の方や、転ぶことが多いお子様は、ぜひこの記事でご紹介したバランストレーニングを無理のない範囲で試してみてください!